この記事は、
・会計事務所(税理士事務所)のパートってどんな仕事をしているのか気になる
・会計事務所(税理士事務所)で勤務するメリット、デメリットを知りたい
・パートでも会計知識が求められるのか知りたい
以上の方に向けて書いています。
私は、元生命保険会社の総務担当で正社員として8年勤務していましたが、不妊治療のため退職しました。
その後、無事出産して週5の短時間パートで事務職として働けるところを探していたところ、割と自宅から近い会計事務所(兼税理士事務所。以下全て「会計事務所」と記載)で働くことになりました。
そんな私が、1年間会計事務所で勤務して得た体験談を紹介したいと思います。
会計事務所の1日の流れ
9:00~9:15 Zoomで朝礼。当日のやることを一人ずつ言う。
9:15~9:30 メールチェック。私は社外の人とのやり取りはないので、社内連絡のみ確認。
9:30~12:00 お客さまの相続税申告のお手伝いのため、財産の評価資料を準備する。(後述)
12:00~13:00 お昼休憩。忙しすぎて昼休憩を取れない社員さんを横目で見つつ、お弁当を食べる。
13:00~15:00 ひたすら資料の作成。今もしお客さまが亡くなられた場合に、相続税をいくら払うことになるかの試算も作成することもある。
15:00~15:15 退勤。基本的には、仕事が終わらなければまた明日続きをやろう、位のテンション。
仕事内容の詳細について
私が勤務している会計事務所は、相続税申告の相談を主にやっています。
そのため、お客さまは富裕層の個人の方が多いです。
上記で書いた、「財産の評価資料を準備する」とは、相続税申告で必要となる資料の準備のことです。
相続税申告では、亡くなられた方(被相続人)の財産が非課税となる基礎控除額以上の場合、相続税が発生します。
その相続税について、税理士の先生が税金額を減額できるよう検討されます。
そのための資料を用意するのが、私の仕事です。
財産というものは土地だけではなく、建物・預貯金・有価証券・生命保険やその他の財産もあります。
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産=債務もあることがあるので、それらの情報をシステムに入力していきます。
たとえば土地の評価をするとなると、まず固定資産税評価明細書や名寄帳から土地の場所を特定します。
詳細な地図を出力し、国税庁HPから倍率表や路線価図等を出します。
「この土地は、都市計画税がかかっているから市街化区域!」、「市街化調整区域にある畑だから、市役所の農地課に電話して確認だ!」などといいながら土地について調べていきます。
また、CADを使って土地の評価をすることもあります。
CADは今まで使ったことがなかったので、なかなか慣れませんでしたが、10回くらい使っていたらようやく使い方がわかってきました。
土地の評価などには頭を使うこともありますが、ひたすら何十冊もの預金通帳のコピーを取るような単純作業をすることも多いです。
確定申告時期の忙しさについて
個人の方からの相談が多い会計事務所が一番忙しい時期と言えば、確定申告時期です。
採用される前は、「もしかしてこの時期に残業が増えるかも…?」と思っていましたが、今のところ残業になったことは1回もありません。
(2021年は確定申告締め切りが4月16日まで延長になったらからというのもありますが)
社員の方は毎晩遅くまで残業をしているようですが、勤務先の会計事務所はパートに残業をさせない方針のようです。
会計事務所で勤務するメリット・デメリット
メリット…
- 税金に関する知識を得ることができる
- 突発の休みが取りやすい(緊急の仕事というのはほとんどないため、1日2日休んでもリカバリーできる)
- 個人的な税の悩みについて、お昼休み中などに税理士の先生に相談できる
- 不動産業や銀行などと繋がりがあるため、持ち家を建てるための土地や業者を探し中だと良い話を持ってきてもらえることもある
デメリット…
- 社員の方は忙しいので、不明点を聞きにくい
- 会計知識があることが前提条件として説明されることが多いため、知識がないと少し辛い
会計知識が無くても会計事務所で働ける?
もちろん各会計事務所によって、必要とされる会計の知識レベルは異なります。
しかし会計事務所で働いてみて、会計知識はあるに越したことはないと実感しました。
10数年前であるものの、大学時代に簿記3級、FP2級を取得しており、趣味は資産運用。
そしてかつては生命保険会社で総務・経理担当だった私は、会計知識はあると言えるのでは?と思っていました。
しかし、いざ働いてみると、借方や貸方、貸借対照表の見方も全て忘れており、自分の会計知識はほぼゼロになっていたことが判明しました。
会計知識がゼロであっても、相続を主とする会計事務所のため、なんとかついていけています。
(※たまに上司に、「簿記の知識があればわかると思うけど、一応説明すると…(以下略)」「FP持ってるんだっけ?じゃあ詳しい説明は省略するね」と言われることがあり、知識ゼロになった身としてはいたたまれない気持ちになりますが)
ただし、法人相手の会計事務所で勤務するのであれば、知識ゼロの状態だったら厳しかっただろうな…と思います。
「知識がなくても大丈夫!」と採用時点で言われたとしても、会計知識を得ておいたほうが説明を受けた時の理解度が違ってきます。
まとめ
今回は、会計事務所で勤務して得た体験談を紹介してみました。
会計事務所に興味がある方の参考になりましたら幸いです。
今後は、「会計事務所あるある」ネタなども書いていきたいと思っています。
興味のある方はぜひチェックしてくださいね。